檻姫

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  らぶらぶメンテナンス  

 私は地下牢にグレンドルを呼び出し、かねてよりモリスから言われていた恥ずかしい話を切り出した。
「クレンドル、そなた私に惚れていると申したな」
「ち、ちが! バッカ、いきなりそんな話、スレイらしくないぞ」
 口の利き方がいつも一緒に戦っている時と同じなので少し安心した。
「恥を忍んで申すが、実はこの甲冑、私の体の些(いささ)か細かい部分にまで食い込んでいてな、一定期間に一度清掃が必要なのだ。それを手伝ってはもらえぬか。取り外しはモリスがやるが、その…… 補完というか……」
「い、いいけどよ」
「かたじけない。 では、モリス、頼む」
 近くに控えていたモリスが牢内に入ってきた。
 中には既に、シーツだけは真新しい武骨な木のベッドや、薬品類が運び込まれていた。
 グレンドルの目の前でドレスはおろか、乳を括り出す甲冑まで外され、私は下着型の甲冑のみの裸にされ、ベッドに枷で固定された。
「うわあ!」
 グレンドルの悲鳴。
「何だグレンドル、今更。 見られたって減るもんじゃなし」
「スレイがそれ言うなぁ! 減るぞ! まぶしさで! 俺の目が!」
「……? うーむ。まあ、私の裸に対する褒め言葉ととっておこう」

 モリスはオタつくグレンドルを横目でニヤニヤ見ながら、私の甲冑のクリトリスと小用の穴、排便の穴の固定リングをそれぞれ外した。
「あくンッ!」
 用便の穴は何の衝撃も感じないが、クリトリスは解放されたむずがゆさがジーンと走る。
 バルベロッテに嵌められて以来、初めて下半身の戒めが解かれた。
「うッ……」
「ああっ! 言うな、ばかもの! モリスのいじわる!」
「済みません、姫様」
 におうって、きたないって、充分わかってた。
 下に盆が敷かれ、石けんとお湯で流される。
「じ、自分でできるから…… 手枷を外して…… 慈悲だから……」
 真っ赤になって申し出ても、モリスはやめてくれない。
 きれいになったところで、いよいよ筒が抜き取られる。
 今頃になって、やっと体内で金属の傘が開いて固定されているんだという感覚が理解できてきた。
 モリスが解錠の穴を探って入り口の口金を引っ張ると、体の奥で広い面積がクンと突っ張る。
 すごい…… 本当に抜けなくされてしまっているんだ。
 おしっこの成分か何かが固まって付着していたらしく、モリスがピンの先でゴリゴリと穴をほじり当ててからピン全体を差し込んだ。
 慎重にピンを回す。
 モリスの無骨な指に対して、摘む部分が極めて小さいので、ピンを回すたびに小用の穴がぐいぐいと引かれる。
 そのたびにチリチリと残尿感のような不思議な痛みが走り、改めて尿道にすら枷を嵌められていたのだということが思い知らされた。

 ピンがもう回らなくなると、モリスはゆっくりと筒を引き抜き始めた。
 引いてすぐに、閉じた「返し」の機構部分が、尿道の一番狭い部分を抜けようとする。
 無意識に締めているから狭いのだが、力を抜けと言われても無理な話だ。
 そうしている間にもズルリと筒が5mmほど抜かれ、まるで石ころを排尿しているような、ゴロゴロとした未経験の異物感が尿道の奥を占めた。
 小水の異物ならそのまますぐに流れ出るのだろうが、この異物感は移動しない。
「くーーーああッ!!」
 切ない呻き声を上げてしまう。
 さらに5mmほど引かれたら、ゾクゾクするものすごく気持ちいい排尿感が襲って来た。
「アーーーーーーーッッ!!」
 耳まで真っ赤にして、極太のおしっこしている快感に震える!
 さらにモリスが引くと、ゾクゾクがすーーっと出口へ移動して、ブルブルと痺れる甘さを伴い、尿孔からほろりと抜けた。
「ああん……」
 トロトロと残った小水が滴り、それが内部にヒリヒリと滲みる。
「あっく…… んっく……」
 排尿の機能を取り戻したことを、尿孔を締めて確認しようとするが、チリチリ疼く上に自分の下腹部が妙に他人行儀でままならない。
 だが代りに全身が弛緩し切るほどの安堵感に酔い痴れていた。

 尿を拭われ、今度は尻の孔だ。

 筒を嵌められて以来、いつも便が入り口に引っかかっているという人工的な残便感に苛(さいな)まれて来た。
 それが肛門枷とでも言うべきこの筒の拡張機構によってもたらされる擬似的な感覚とはわかっていても、排便を催すあの冷や汗の出る焦燥感は、私から正常な思考と抵抗心を奪っていた。
 モリスが、ぽっかり明いたままになっている私の肛門の脇を探り、鍵式の螺子孔を探す。
 もう慣れたはずなのに、便孔の奥を直視されるなど、死んでしまいたいほど恥ずかしい。
 ようやく探り当て、ネジを差し込み、ギリギリと回す。
 とたんにパアアアッとうんちがああああ!がまんできません!!
「嫌あああ! モリス逆!逆ッ!!」
 ベッドの上で大便をぶちまけそうな焦燥をいきなり与えられ、頭から湯気が出そうなほど赤くなって、くねくねと全身で悶えてしまう。
「し、失礼しました」
 ギリギリと逆に回されると、あらゆる焦燥感が嘘のように、すーっと安堵する心地良さに襲われた。
 本当に太いヤツがすっきり出た時の気分だ。
 最後に、何の抵抗感も無くなって、少し筒が抜けたが、最後に拡張機構部分が肛門を乗り越える瞬間に、目の裏が真っ白に光るほどの甘い排泄感がビカッと来た。
「んあっ!!」
 あとは全身が弛緩したようになって、ベッドの上で四肢を大の字に固定されたままグッタリとなった。
 股が拭われ、手枷足枷が外された。

「さ、グレンドル殿、補完を」
「え、あ、俺ッ?! で、でも、王様に殺されるよ」
「頼む、グレンドル、私も恥を忍んで言っているのだ」
「クソッ、俺も男だ! だがやっぱりこっちは本当に祝言上げてからだ。だからコッチをもらうぜ」
「え? あ? そっちはちが!」
 うつ伏せにさせられ、ほぐれ切った尻穴に何か熱を持った棒が押しつけられた。
 筒に塗ってあった軟膏の残りのおかげか、腸からの浸出液のせいか、ソレは軋む痛みも無く入り口を押し広げてきた。
「うあ! うあ! うあ!」
「姫様、出すように力を入れるのでございます。もう何度もご経験でしょう」
 そうだ、あのエレキの棒とか、心を押し開くような覚悟で尻を緩めるのだった。
「うーーーん…… らァアアアアアッ!!」
 一瞬グレンドルのモノを押し戻す手応えがあった直後、逆に全ての侵入を許してしまった。
 のけぞってピクピク痙攣する。
 自分で自分がひどい顔しているのがわかる。
 目を剥き、涙が浮き、鼻水が垂れ、口は半笑いの半開き、口の端からはよだれが……

「熱い! すげええ! 締まる!」
 グレンドルは叫びながら私を抱えるようにして奥まで突いて来る。
 一度奥まで受け入れると、今度は抜く時の排便感が、魂までも引きずり出される感じで気持ちいい。
 グレンドルが少しコツを掴んだのか、ゆっくりめのリズムで、深く突き、長く引き抜く。
 その度にグレンドルには悪いが極太排便を繰り返しているような、汗の飛び散る程の快感が、私の全身を痙攣させる。
 私の女の口は腿まで垂れる程に蜜を吐き、尻穴の奥のどこだかが押されるたび、あの銀の棒を前で咥えさせられているような快感が走る。
 グレンドルの出し入れの運動があるピークを超えたとたん、恍惚の快感に襲われた。
 あの棒でしっかり仕込まれてしまった、逝く時の快感機序が発動する。
 腹の奥がぐうっと収縮し、子袋の位置がぐうっと前進する。
「あ、逝く」
 私は短く告げると、全身に浴びせられる快感の痺れに身を任せた。

「ハァ、ハァ、すまん、変なことになっちまって。でもスレイの気持ちは有難いけど、王女の立場があんだろ? こっちの処女は取っておけよ。代りにコッチの処女をいただいちまったぜ。こんなに出ちまった」
「征服感に浸ってるところすまんな、グレンドル。こっちは破瓜も無く、受け入れたのは調教器具だけだが、コッチは犬や蛸に慰み物にされたので、処女では無いぞ」
「アヒャ?」

 うー、ちょっと照れ隠しに、尊大にしすぎたかな。
 でもグレンドル甘やかすと調子に乗るからな。

 一晩経ってから全部のパーツを戻されて、洗浄の半日が終わった。


(終)
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