精液飼育
どれだけ時間が経ったのだろう。
枷に嵌められたまま、まんじりとも出来ずにいると、コツコツと足音が近付いて来た。
ティアちゃんを伴ってロッドシール公が戻って来た。
「これはこれは、良い格好ですな姫様」
「こんなことしても独立認めませんからね」
「もちろん、存じております。さすが姫様、やはりそうでなくては」
私はゾクリとした。
まさか私が抵抗するのを利用して、そのままジワジワ長引かせていたぶるつもりかしら。
「まずはお食事を」
「こんな格好じゃ無理です」
「おや、ティアルス殿からお聞きになりませんでしたか? ここしばらくの姫様のお食事は私めの精液です」
「ひ、いやああ!」
ロッドシール公は私の後ろに回り、もう馴染み始めているロッドシール公のモノを型どったディルドーを引っ張る。
しかしやっと落ち着く位置に調整を終えている肛門は、なかなかソレを放さない。
「これはこれは光栄ですな、こんなにも気に入って頂けて」
「ち!ちがいます!」
アッタマ来たので思い切りうんちするように力んだら、ズボンと勢い良く飛び出した。
「おっと」
ロッドシール公はそれを手で受けて、間髪を入れずに代わりに自分のモノを私に突っ込んだ。
「はうッ!!」
ああ…… お尻犯されちゃった……
公務だ公務だと自分に言い聞かせても、悔しくって涙がボロボロ出た。
呂以相手だったら締めるとか緩めるとか思い付くんだろうけど、精神的ショックで頭にモヤがかかってて、ただ漠然とお尻の穴を擦られていた。
「おお、姫様のここは最高ですな」
「うっく、うっく、くうううぅ」
ただ苦しさに呻いていると、お尻の中がカアッと熱くなった。
「おおっ」
このオッサンのどこにこんな精力があるのか、ビュルリビュルリと何度も出された。
精液が私に染み込むのを待つようにしばらくそのまま抜かず、少ししぼんだようになってからズルリと抜いた。
「おっと、栓を戻しませんと折角の栄養が漏れてしまいますな」
乱暴にディルドーを戻される。
「はぐぅ!」
粘つく液にまみれているので多少乱暴でも痛みは無いが、ババッと脳細胞が発光するような衝撃的快感に、枷を歪めそうなほど仰け反った。
カチリとディルドーを留められると、さっきまでの締め付けとちがい、だぷだぷした液の中に太い棒が浮いているような感じがする。
「はふっ、はふっ」
快感を逃がし、思考をはやく正常に戻そうと、浅く速い呼吸を繰り返す。
「こんどはこちらでお願いします」
ロッドシール公は私の前に回ると、少し萎んでダラリとなったペニスを私の前に差し出した。
「あまりご経験が無いと歯が当たります故、口枷を使いましょうか? 姫様もその方が顎が楽なはず」
「け、結構です。な、慣れてるとは申しませんが、普通にできるくらいの経験はあります」
「それは頼もしい。では、お願いします」
私はおずおずと舌を伸ばし、私の腸液とロッドシールの精液にまみれたソレを口に含んだ。
とたんにソレはムクムクと太く硬くなり、先端が喉を突かんばかりになった。
「ムウウ……」
太さにうめいていると、ロッドシール公が前後に動かし始めた。
「ンーーー! ムッ! ムッ!」
危惧していたよりは奥に突っ込まれることはなく、しばらく同じように突いていたが、急に固さが増したかと思うと、苦しょっぱいドロドロを舌の奥にドクドク注がれた。
「ムゴク! ムグ! ゴプ!」
飲み込むタイミングが掴めず、涙をぐみながらなんとか全部飲んだ。
青臭い異臭が鼻につく。
「きれいにしていただけますかな?」
目も合わさず、無言でペニスをぞんざいに舐め回し、一通り精液を拭いとった。
「では、姫、ごゆるりと」
ロッドシールはベニスを仕舞うとスタスタと去って行った。
枷に嵌められたまま、後から後から涙が溢れてくる。
こんな屈辱の行為が私の日課に、私の食事になるのか。
消化器官の上下から憎い男の精液を食事代わりに流し込まれ、それだけを栄養にして暮らさなければならないなんて。
それに「ごゆるり」ったって、これじゃぁ……
仕方なく、枷の縁の部分でもより当たりの少ない場所を上手く選び、体重を預けた。
精液の臭いに閉口しつつボーッとしていると、カツカツとティアちゃんが来た。
「姫様、大丈夫ですか?」
「まあ、なんとかね」
「お尻に入れていらっしゃるのと同じ張り形で口を封じるなら、枷から外しても良いと言われたのですが」
「ちょ!だれがあんな男の! しゃぷりっぱなしなんて嫌よ!」
「でも体力を温存しませんと、いざという時にお力をお出しになれませんよ」
「そ…… それもそうね……」
確かにその通りなんだけど、あまりの屈辱にプライドの方を優先させたくなってしまう。
でもだめだ。
ティアちゃんの言う通りにしておかないと。
でも屈辱を受け容れるのも、調教が一気に進みそうな恐怖がある。
ロッドシール公を全身に馴染ませられてしまいそう。
もう戻れないかもしれない。
何度も逡巡し、涙をこらえて口を開く。
「枷、外して……」
私は体力の方を優先させた。
「はい、では先に張り形を」
「好きにして」
ティアちゃんは手にした張り形を、一応優しい手つきで私の口に押し込む。
でもこれちょっと!長くない?
なんでこんなに先が曲がってんの?
「姫様、『あーー』って仰ってください」
「あーー?」
喉の奥がぽっかり全開になったところで、ティアちゃんが張り形をひねりながら更に押し込む。
「おえっ!」
嘔吐反射で涙が出た。
「済みません、もう少し下向きでしたね。『あーー』って続けて下さい」
「グスッ…… あーーーー」
ティアちゃんが舌の奥のさらに奥を圧迫するように、張り形を押し付けながら押し込むと、大きな食べ物の塊を呑み込む瞬間のような感覚が来た。
「んごっ!!」
ひいっ! ロッドシール公の亀頭を呑み込まされてる?!
しかし、そこでついに張り形の全長が全て口の中に入り、留めるためのベルトが口の脇に当たった。
先端の曲がった張り形は、食道の直前、まさに食べ物がそこへ入る瞬間の状態を疑似的に再現したまま、嚥下のサイクルを中途半端な位置で停めてしまっている。
呑み込めそうなのに呑み込めない。
いや、実際には呑み込むべき物体じゃないのだけど、この凄まじい中途半端さに気が狂いそう!
そして嚥下サイクルのための神経の反射が、その手順を狂わされて悲鳴を上げている。
「んコム…… ン…… ンーーーーーーーーー!!」
私は眼を剥き、涙を流しながら、不発の嚥下を繰り返す。
「ろ…… コフ…… ンーーーー!! ゴ……! ん……!」
呑み込もうとすると、普通なら通り過ぎて食道に落ちるはずのものが、呑み込む瞬間の位置のまま、ずっと引っ掛かってる!
「ハ……! カロッ……! カオッ……! コフ……! ア!!」
どこにどう舌を持って行っていいのかわからない大パニック!
どばっと口中に溢れた唾液も呑み込めず、口角部からダラダラと垂れる。
それでも呑まずにいられない。
「ゴゲエエ!!」
これは嘔吐ではなく、強引な嚥下をして空気を呑み込んだ音。
ひどい!
ひどいよティアちゃん!
こうなるって知ってたんでしょ?!
絶妙な位置に張り形が当たっていて、嘔吐反射は出ないようになっているらしい。
呑み込めない不快感と嘔吐反射は別物だ。
まるでお尻に大きなアナルビーズを使われた時のように、1つの玉を排泄した安堵の瞬間に、次の玉が中途半端に肛門に引っ掛かって、落ちつかない焦燥をつぎつぎと味わわされるのと一緒。
肛門の排泄の焦燥もすさまじいパニックだが、まだメカニズムが単純なだけに、嚥下のパニックよりまだましだ。
「コプ……!! ム……!!」
きいいいい!目が裏返っちゃう!
嚥下の神経機構は複雑で、そのサイクルを誤ると気道に物が入って激しくむせるうえ、どこをどう動かせばなんとかなるのかが全く本人にわからないので絶望的なパニックを引き起こす。
未だ目を剥き、鼻汁を垂らし、よだれをまき散らしてるのに、喉のパニックは収まらない。
「姫様、ごめんなさい……」
ティアちゃんは私の惨状を見ながらも張り形のベルトを私の後頭部で留め、カチリと施錠した。
どこにベロをもってけばいいのよう!
本当に死んじゃうよう!
叫ぼうにも、ほんのわずか舌を動かしただけで張り形が持ち上がり、涙が出そうな強制嚥下を誘発する。
でも呑み込めない。
絶叫したいのに、言葉にならない短い音が漏れるだけ。
「コハ……! ンコン……!ゴゲ! ンーーーーーーー!!!!」
「姫様、『あーー』って言いながら、奥の奥でつば呑んで下さい」
「コ! あーーーーー! んくっ! カ!!!!」
で、できた!
「ハーーーーッ…… ハーーーーーッ……」
喉の奥に出来た余裕を戻してしまうのが怖くて、口からゆっくり呼吸して、咽頭部の空間を確保する。
「ハーーーーー」
やっと落ち着いた。
「ンク」
舌を全く動かさず、喉の奥の奥だけで飲む。
「ンク」
うう〜もう顔ぐちゃぐちゃ。
でもまたパニックになるのが怖くて、しゃくりあげることも、鼻をすすることもできない。
「もう落ち着きましたか、さすがです姫様」
嬉しくないよぉ!
ティアちゃんはやっと私を木枷から解放してくれ、布で顔を拭ってくれた。
鼻は怖くてかめない。
ティアちゃんは私の鼻を潰して可能な限り鼻汁を拭うと、私の両手を後ろ手に拘束して、カツカツと去っていった。
私はもう疲労しすぎて、木枷の上から体をずらすと、その場に倒れ込んで深い眠りに落ちた。
「ゴエッ!!」
深夜に異音で飛び起きた。
異音は私の喉から出ていた。
後ろ手の窮屈な姿勢でも、ピロリー枷に嵌められたまま四つん這いで眠るより何倍も楽なはずだが、睡眠のあるサイクルで深い嚥下をするらしく、その時にまた一時的に喉がパニックになるようだ。
喉枷……
そうだ、これは張り形の形をした喉の拘束具なんだ。
グス……
グス……
こんなもの早く吐き出して、楽になりたいよう……
急にお尻にも同じように栓をされていることを思い出した。
……
もうだめかも……
後ろ手に拘束されたまま、私は上と下からロッドシール公のモノを象った栓をされて、精液を詰め込む樽になっちゃうんだ……
「ゴエェッ!!」
さっきの木枷のまま眠るのと、この嚥下反射責め、いったいどっちが楽なんだろう。
まだ木枷の方がマシな気がしてきた。
そでれも次第に反射の回数も減り、なんとか朝まで眠ることが出来た。
「姫様、姫様、起きて下さい」
ティアちゃんが起こしに来た。
後ろ手のまま起き上がる。
私は自分が信じられなかった。
もう喉は張り形の形に馴染み、喉の奥の奥で嚥下し、僅かな気道で呼吸することに慣らされていた。
ぶわっと涙が出た。
それこそ、ピアスされた時や、初めてお尻の穴に異物を押し込まれた時のように、もう体がペニスを喉まで入れても大丈夫な体に改造されてしまったように感じた。
「よく眠れましたかな? 姫様」
ロッドシール公も来た。
喉が刺激されるのが怖くて、ゆっくりと首を横に振った。
「早速ご朝食です。ティアルス殿、お願いします」
「はい」
ティアちゃんは私の喉枷のベルトを解錠し、ズルリと張り形を引き抜いた。
「ゴエッ!!」
一瞬、真剣に吐きそうになった。
「ゲホゲホ…… 朝食って……まさか……」
「その通りです。さあ、どうぞ。硬さを調整するのに少々技が必要ですから、手早くお願いしますぞ」
ロッドシール公のソレは、太いままデロンと垂れたような状態で、これをこのまま喉へ突っ込めということなのだろうか。
硬さを調節ということは、勃起しすぎて喉に押し込めないほどにならないよう、血の流れを操ってるってこと?
「はい…… あーーーー」
「おお、すばらしい! 文字通り、呑み込みが早いですな」
「はやくしてください。 あーーーー」
「これは失礼しました。では早速」
「ムゴッ! んーーーーーーー!」
一気に喉の奥まで突き込まれた。
ロッドシール公が動かすのかと思い、じっと待っていたら、ロッドシール公は動かない。
そのうち息が苦しくなってきた。
張り形は形が決まっているから、それでもまだ隙間があって呼吸出来た。
本物のペニスは、形こそ同じなのだろうけど、僅かな隙間まで塞いでしまい空気が吸えない。
「コムッ! コクムッ!」
息が詰まって目を白黒させていると、ロッドシール公のモノが少し太くなったように感じた。
「コヒッ! クヒッ!」
隙間を辛うじて通る僅かな息で呼吸を繋ぐ。
やがて喉の中身がドクンドクンと荒々しく脈打ち、一時的に激しく太くなった。
同時に食道の奥に熱い塊を感じ、それは私に何の食事の楽しみも実感も与えずに、すぐに胃に落ちた。
「ふう、すばらしい成果です、姫様」
ズルリンとロッドシール公が抜く。
精液の飛沫が少し気管に入った。
「ゲハッ! ゴホッ!」
だんだんと鼻の奥が精液臭くなってきた。
「うう、もういいですか? ゲホッ!」
「はい、これで姫様の朝食は終わりです。あとは今日もティアルス殿の指示に従ってください。
「うう……はい……」
「では、姫様、今日の訓練を始めます。まずはマスクからです」
ティアちゃんは手に黒革の全頭マスクを持っている。
あの戦車隊の子たちがしていたマスクだ。
開口部は口と鼻の穴と、目の部分の細かい穴だけ。
口の部分は別なパーツで巨大なペニス型の口枷が用意されていて、その固定ベルトの左右にはリングが付いている。
その口枷は、唇や歯にあたる部分はくびれているので、顎が痛くなるほど口を開きっぱなしされることはないが、全頭マスクで顎を開くことが制限されるため、完全に言葉を奪われる。
だとすると、口をふさがれてティアちゃんはどうやって指揮するのだろう。
ぼんやり疑問に思っていると、まず手早く全頭マスクを被せられ、後頭部で締め上げられ、口枷を咥えさせられた。
「全頭マスクを装着したら、もう姫様とは呼びません。お前は1512です」
仕方なくコクリと頷く。
「実際に戦車を曳くときは、口の左右にあるリングに手綱を着けます。お尻を鞭で叩くと走りはじめ、鞭の追加で加速、手綱の左右で曲がりをコントロールし、左右同時に引いたら停止。わかりますか1512」
コクコクと頷く。
「では、戦車を曳く前に単独でトレーニングです。そのまま外に出ます」
「ンンーーーッ!」
結果が分かってはいるけど、嫌なので一応拒否。
――ビシイ!!――
「ンン!!」
容赦なくお尻に鞭が飛ぶ。
ボディ部分は鉄が仕込んであるこの戦車女革スーツも、お尻だけは革のみなのだ。
「抵抗は無駄です。目的と状況を思い出してください。わかったなら、まずそこの穴でおしっこを出してから股を覆うベルトを締め、外に出ます」
「ンーー!」
「お尻の栓はそのままですよ。だって外すとすぐ精液が漏れますから」
「ンーー!」
ひどい!
流水の流れる穴の上でおしっこして、股を簡単に拭ってもらい、股間のベルトを締めた。
股間を覆う正式なベルトはかなり厚手で、中に保護用の金属装甲が入っているように重い。
この独房の殆んどの容積を占拠する戦車の脇を通り抜け、裏庭に面した扉と戦車との間に立つと、ティアちゃんがレバーを操作し、戦車の向こうにある扉が開放された。 扉を押して外へ出る。
細かく明けられた目の穴の狭い視界に、一面芝生の広大な庭の美しい景色が飛び込んで来た。