心の繋がり
―― バンッ! ――
いきなり部屋の戸が開いてマーサが入って来た。
「ンムーーーーー!!!」
よからぬ気分になって触手に拘束され、なすすべもなく転がってる自分を見られたらきっとまたお仕置きだと思い死ぬほどもがいたがどうにもならなかった。
「ム?」
よく見るとマーサも様子が変だ。
自分の胸を抱き、息を荒くし、顔が紅潮している。
「ハア…… ハァ…… ッ…… アハハ、いい格好だね、クリス」
「ンムーーーー!!!」
「そう睨むなよって。私も巻き込まれてんだから、先輩としてね。今朝からずっとおっぱいとアソコをくちゅくちゅされてんだけど、ぜんぜんイカしてくれないんだ」
「ン……」
そういえばマーサもおっぱいと下半身を触手下着に覆われていた……
急に口のマスクを形造っていた触手が解け、口が自由になった。
「ぷあ! ああ…… なんとかしてぇ……」
真っ先に自分の方をどうにかして欲しいと思った。
だってマーサはまだ手足が自由なんだから。
「そ、そう、言われても、さ、私だって、んあああああああ!!!」
拘束されて転がされてるあたしの傍にズシャッと跪くマーサ。
「ハァ…… ハァ…… 久々に…… キッツイな…… んあッ!!」
興奮してもどかしそうに身体を揺すり立てるマーサ。
その姿を見ているうちに、マーサの方が条件がいいんだから、あたしをなんとかしなさいよ、という気分が消え、心の底からマーサをもっと感じさせてあげたいと思うようになった。
「あの…… マーサ、どこをどうすればいい……?」
「あうう、あと一舐めでイケるんだけど、全然触れないんだ」
「この紫色の上から舐めてもダメ?」
「指では無理だった」
「そこに寝て……」
「こうかい?」
あたしはシャクトリムシみたく床を這って、仰向けになって足をM字に立ててるマーサのお股に顔を近付けた。
すると、あたしの気持ちが通じたのか、マーサの股間の一部から紫色のゼリーのような膜がどいた。
「ふァ!! 何をしたんだいクリス?」
「何もしてないわ。これからするよの」
他の女の子の性器なんて初めて見たけど、マーサのそれは興奮しているのも手伝ってか、紫色のゼリーのような膜の奥で、淫靡にヒクヒク蠢いていた。
紫色の膜が開口した場所は、ちょうどマーサの股の合わせ目から真っ赤に充血した突起が飛び出ている部分で、その突起の周囲にはゆるく触手が巻きつき、もやもやと緩めの刺激を送り込んでいるようだった。
「きたないよ。昨日クリス言ってたろ?」
「…… そうでもないかも。 今は素敵な形に見えるわ。ねえ、これを舐めてあげるから、あたしのもなんとかしてよ?」
「うう……そんな言い方してるとダメだよう」
急にゼリーの開口部が閉じようとする。
「あ!待って! わかってる…… 大丈夫だから。ねえ、触手ども、あたしの心が読めるなら読んでよ!」
また開口部が広くなった。
あたし、舐めたい。
このマーサの心のもやもやを取ってあげたい。
自分のことをすっかり忘れ、目を閉じて目の前の赤い肉芽を口に含んだ。
「あ! あああ! クリス! クリスうう!!」
マーサがあたしの頭をグッと掴んで股間に一層押し付ける。
でも、不快じゃなかった。
マーサが感じてるのがわかるから。
不思議な味のする粘液にまみれ細い触手で縊(くび)り出されたそれを舌先で丁寧に転がすと、鼻に密着しているマーサの下腹部がビクンビクンと跳ねる。
ゆっくりと同じ方向に何度もねぶり上げる。
「あーーーッ!! あーーーーッ!!」
周囲の細い触手たちは、『ここが狙う場所だぞ』と言わんばかりに肉芽の側面と先端をあたしが舐めやすいように剥き出しにしてる。
たかが粘膜の小さな突起なのに。
しかも他人の陰部なのに。
どうしてこう愛おしく、可愛らしく、可憐な小粒に見えるんだろう。
―― ドクン ――
改めて気持ちをたっぷり込めて、ソコへ舌を沿わせる。
―― ドクン ――
一舐めごとに、マーサの気持ちがあたしにも伝わる。
その気持ちを頭で反芻し、そして次の一舐めの舌先に伝える。
―― ドクン ――
「ら、ぁむッ!」
「あーーーッ!! うっくアッ!? あヒっ! クリス!ほんとにはじめてかよう!」
「べちゃ。ええ、ほんとよ? うふふ、ここがいいのね?」
「ひうッッ!! もう全身の毛孔開きそうだよう!」
「べちゃ。 ちろっ。 あむっ」
「あーーーッ!! あーーーーッ!! や! ク! イッちゃう!!」
マーサの様子を見て、あたし自身の出口も見えて来た気がする。
マーサの心に、自分の心を重ねるようにして、トドメの一舐めを舐め上げた。
「あーーーーーーーーーーッ!!」
腰が何度もビチビチと跳ね、マーサがブリッジするように仰け反った。
「キヒイイイイイイイイ!!!」
凄い悲鳴をあげてもっと腰を跳ねさせるマーサ。
あたしが舌を離すと、目の前でマーサの突起が周囲の触手に潰されていた。
巻き付いてサポートしていた触手が、マーサの最後の余裕すら押し潰すように更なる強烈な快感を送り込んでいるようだ。
見ているあたしがゾクゾクするほどいびつに潰されたマーサの突起は、閉じて来た紫色の膜に覆われてその奥に沈んだ。
マーサは制御不能なほど跳ね回り、やがてガックリと脱力した。
自分がイクことを経験する前に、他人をイカせる瞬間に立ち会ってしまった。
しかし耳から流れ込んだマーサの嬌声が、あたしも同じところにイキたいという欲望を植え付けた。