ナマデレ
夜。
お腹の奥まで犯されたまま眠れるのか心配だったけど、服も脱げないので、ブリム外して髪を解いて、靴を脱いでベッドに潜り込んだら、絶頂の疲労のせいか一瞬で眠った。
――チリンチリン――
――チリンチリン――
わーっ! マジ?
疲れてるんだけどなぁ。
髪は下ろしたまま、簡単にブラシを入れて、ブリムだけ戻して地下室に向かった。
今日は部屋の前にはマーサの姿はなく、あたし一人で下りた。
地下室のあの部屋に入るとやっぱりマーサも居た。
昨日と同じようにミトコンドロイドおじさまは小さな絨毯の上の椅子に、裸で座っていた。
「お呼びですか、ごっ、ご主人様」
「おお、一日ですごく進歩したね」
「ま、まあこんくらいはしないとね」
「今日は、ご奉仕してもらえるのかな?」
寝起きで全然頭が回っていなかった。
「えー?」
「おいおい、少しはわかるようになったんだろ? ちゃんとやんなよクリス」
マーサが弁護してくれる。
「あー、はぁ、まぁ」
あたしは跪いてご主人様のおちんちんを見つめた。
まあ、肉手袋越しだから、扱(しご)くくらいいいか。
昨日のマーサの手つきを想い出し、グッと握って上下に擦る。
「ほう、握れるようになったんだね。よしよし」
「これでいいの?」
スピードを速めてみる。
「うっ、少し痛いな」
「ごめん」
「このくらい?」
「そうだな」
しばらくそのままコスコスと動かす。
「クリス、もう少し変化させないとダメだよ」
「えー?」
昨日のことを想い出し、指をリング状にしてみる。
「こうですか? わかりません」
「なんかぞんざいだなぁ。もうあの快感、忘れちゃったの?」
「まだ1回目では無理なんだろう。もういいよ。御苦労だったね」
「ごめん」
すると身体の一番奥まで差し込まれた触手が、もぞりと蠢いた。
「ハ!……?」
いきなりの刺激に、目を見開いて口の端からよだれを垂らす。
「どうした?」
「動いた……」
再び昼間のように全身がざわざわと触手に嬲られ始めた。
「あう!」
今度は地下の石畳の上に横倒しになった。
「ハァッ…… ハアッ……」
起きぬけのぼんやりした脳から、快感に煮込まれた淫靡な脳になってきた。
首だけ上げてご主人様を見る。
昼間、自分が与えられた快感を想い出す。
「ああ……」
四つん這いでご主人様のところまで這ってゆき、膝立ちになってまたおちんちんを見る。
ああ、切なそう。
やっとわかったよ、どうすればいいか。
この脈打つ肉棒はあたしの身体とおんなじ。
だからこうして……
掴み方はさっきと同じだけど、込める力の配分がぜんぜん違う。
あたしを包む触手のように、親指、人差し指から小指まで、そして掌の当たり具合まで、全部に神経を巡らせて、そしてリズムを考えて扱く。
「おお! どうしたクリス! 別人のようだね」
さっきあれだけ扱いても大した変化が見られなかったのに、今度は数回扱いただけでおつゆが溢れてきた。
老人のおちんちんなのに、その滑り光る様が愛おしい。
マーサのお○んこ舐めた時のように、吸い寄せられるように舌を這わせ、全ての凹凸をなぞるように舐める。
おちんちんの付け根近くを強めに指先でごりごりこねていたら、いきなり視界が真っ白になった。
「わあ!」
生臭い。
「アハハ、すごいねクリス! ご主人様をそんな短時間で」
「これはやられたよ。新鮮な感覚に思わず若者のように出してしまった」
「それ、舐めてきれいにしてさし上げて」
「うっぷ。ちょっとやだ。 ……でも、不思議な香り……」
「そのうち自分から舐めたくなるよ」
「えー? そうかな」
「まあ良い。マーサ御苦労だった。こんなに進むとは」
「アハハ、躾のほうは全然で申し訳ありません」
「だが、心を理解したようだね。それならばすぐだよ」
「はい、ご主人様。始末は私が致します。 クリス、もういいよ、おやすみ」
「はーいおやすみマーサ。おやすみなさいご主人様」
「こら、ご主人様に先に言いなよ」
「てへぺろ」
苦笑する2人を放置して、あたしは部屋に戻った。
ほんとはもっとちゃんと言えるんだけど、普通の気分のときはいきなり変えるのもなんだか悔しくて。
マーサが言ってた。
『自分があんなだったくせに、他の子がああなるの見るの好きになっちゃってさぁ』
きっと今日の何倍も触手で責め上げられて、口の端から泡を飛ばしながら、無理矢理言葉遣いまで矯正される日が来るんだろう。
その時、めくるめく快感に責め立てられながら、仕方なく直すってタイミングでいいや。
今直しちゃうと、そんな日は免除されてしまうかもしれないから。
*****
朝。
今日もメイド長のお叱りが飛ぶ。
「クリスさん! もう少しおしとやかに! 廊下走らない! 『あたし』って言わない! ちゃんと『かしこまりました』言って! ……もう」
「はあーい」
あたしはマイペースの中で、ちょっとずつ気配りを増やし、触手が次の矯正をしてくれるのをドキドキしながら待ってる。
ナマイキな子がデレたっていいじゃない。
(終)