大失敗

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「こらぁ!もういいかげんにして!」

 身に纏う触手に向かって叫ぶあたし。
 喉もお尻も拡げられちゃってからは調教が完了したってことなのか、こんな風に時折気まぐれに触手どもにイジられる程度で、心が潰れそうな激しい責めはない。

 ご主人様のお相手も、ローテーションの関係か、毎日連続でお呼びがかかるわけでもない。

 なんだかんだでここに来てからもう2週間以上が過ぎた。
 適当に関わらないようにして1ヵ月やり過ごすつもりだったのに、なんで他のメイド仲間やマーサまで追い越して、一番濃いトコに居んのよう!あたし。

「あっれー? ご機嫌悪いね。重いの?」
「生理ぢゃなーい!」
「アハハ、ごめんごめん」
「ねぇマーサはずっと触手に巻かれたままで平気なの?」
「うん、もう慣れちった。それにトイレのあととか快適じゃない?」
「それはあるけどさ…… てか、あたし! もう自由に出させてもらってないんだよ?!」
「うわ、まじか。じゃあどうしてんの?」
「とっ、溶かされてんの……」
「ハァ? なにそれ? 私も聞いたことないよ」
「えっとね、お尻の一件以来、あたし外でもおまるでも、皆とおなじようにはしてないの……」
「ええっ?」
「地下室にさ、更にその地下を流れる水脈が通ってるの知ってる?」
「ああ、それは聞いたことある。だからあの地下は触手の実験場みたくなってても比較的清潔なんだろな」
「うん。そこで出してんの。お浣腸されて、ドロドロの液状になるまで苦しいのに放置されて、お尻の触手が管みたいになって、中を通って絞り出すの。で、また2回くらい繰り返しお浣腸されて、お腹の中をきれいにして終わり。おしっこもその時に吸いとられるの」

「うああああ、私なんかとっくにおいてけぼりだぁ。クリスこないだ来たばっかなのにすごいな」
「なんであたしだけ……」
「でも、おしっこは私も同じだな。茂みに入ると触手の栓が抜けてさ」
 あたしは首を横に振った。
「ううん……あたしのは抜けないの。先端が開いて漏らすように出るだけ。お尻のもご主人様がお使いになるとき以外は拡がったまま抜いてもらえないのよ……」
「そんな…… それって……」
 マーサにもあたしの心配が伝わったのか、引き攣った表情になり、濁って蕩けた目になった。
「これって絶対彫像にされちゃう準備だよね? あたしがベッキイ見て興奮したから? あたし…… あたし……」
「彫像…… クリスが彫像に…… ああ…… 準備が整ったって…… はふっ……」
「ちょとマーサ!?」
「ハッ! あ!、わたたた、な、なにも絶対そうなるって直接ご主人様から告げられたわけじゃないだろ? そうだな、まずはおしおきの口実を与えないことだよ。掃除の時とか、言葉遣いとか、色々気を付けな」
「うん」

 マーサは励ましてくれたけど、『彫像にされちゃう準備』って自分で言った時に、股間は滅茶滅茶に蜜を吐いていたんだ。
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