檻姫

 |  小説TOP  |  名無し小説TOP

  おまけ リリア 後編  

「もうおっぱはいいいでーす。ありがとうございましたぁ。次はモリス様が作ってくれたぁ、コレ!お願いしまっす!」
 寝台脇からリリアが取り出したのは、双頭のディルドーだった。
「なんだそれは?」
「うあ、エッスさま知らないんですかぁ? こっちおーエッスさまに入れてぇ、オトコノコになってもらうんです。そんでもってー、あたしにズブッて」
「ズブッって…… えええええ?」

 良く見ると途中に折れ曲がる機構があり、私の腰の甲冑に固定できる環状の金具も付いている。
「こ、これを、私が?」
「ああもう、なんべんもきかないでー! はやくぅ!」
 リリアに急かされ、受け取ってはみたものの…… マジですか、これ。

 ええい、と気合いを入れ、私用らしき方のディルドーを膣口にあてがう。
 一連のリリア責めで充分に潤んでいたソコは、苦もなく先端を呑み込んだ。
 同性とはいえ、他人に見つめられながら膣に物を沈めて行く羞恥に震えながら、怪しげなコブが並ぶ木製のソレを全部体内に埋めた。
 根本のリングを回すと私の腰の甲冑に固定され、本当の男性のようにソレが生えた。
 付け根からダラリと下がったモノを、見よう見まねで見知った角度に固定し、角度調節部に木製のくさびを押し込むともう動かなくなった。

「うひゃぁ……」
 男子も突然乳房が大きく膨らめば、こんな戸惑いを覚えるのだろうか?
 扱い慣れぬモノをぐっと握ると、ビビビと全身が痺れた。
 完全に固定されたように見えても、計算された遊びの部分があり、こっちを掴んで動かすと、私の中のモノが絶妙な動きをする。
 くはぁ!
 前後にコスコスするとすんごいきもちいいよぅ!

「はやくぅ……!」
 寝台に仰向けに寝て私を誘うリリアに対し、今自分に備わったモノを見下ろすと、実質リリアより先に私の方がディルドーに犯されてしまっているにもかかわらず、本当の男子のようにリリアを征服する気分になるから不思議だ。

 ぎこちなくリリアに被さり、下腹部に飛び出たモノの先っぽを意識しながら、腕と膝で体勢を整える。
 狙いを定めて腰を動かすが、こんなに思い通りにならないモノなのか?
 世の男性はどうやって位置決めしているのだ。
 リリア自身に手を添えてもらい、やっと入り口に宛がえた。
 えーと……
 どうやって前進するのだ?
 あれこれやって、やっと腰を突き出す動作で良いことが判明。
 ズブーーッとリリアに沈める。
 あーーーーーっ! きもちいい!!

 これはッ!
 リリアより!
 私の方がッ!

 たとえまがい物の男性器でも、膣内いっぱいに満たされたモノで前後に擦られるのって、こんなに大胆に気持ち良いものなのか?
 ましてやリリアの中には、私の中のモノより若干太めのモノが収まっている。
 それを…… こうやって……
 はう!
 あう!
 滅茶苦茶きもちいいよぅ!!

 リリアのためというよりむしろ自分のために、カクカクと腰を動かし、ディルドーをじゅっぽじゅっぽと音を立てて出し入れさせる。
「あーーーっ! あーーーーっ! ああーーーーーーっ!」
 喉を明瞭に通り抜けるリリアの嬌声が耳に心地よい。
 朱に染まった顔で穏やかな笑いを浮かべ、私の動きに合わせ、汗を散らしながら嬉しそうに叫ぶ。
 私もこんな正常位での性行為をすると、こんな嬉しそうによがるのだろうか。
 相手は…… 『グレちゃん』?
 プッ……!
「あん!あん!あん! あーー!エッスさまぁ! 何ニヤニヤしてんですかーーぁ?! あたしのご褒美でぇ、カレシのこと思い出すの禁止ーィ!」
 あまりの図星にぎょっとした。
「済まん」
 肯定してどーするよ。

 まあでも『自分がされるなら』と考えたら、単調になりつつある腰の動きに変化を与えようと思い付いた。

 入り口あたりをキュッキュッキュッっと……
「あん、あん、あああああああーーーーーーん!!」
 こんどは奥まで、ずぼっちょ、ずぼっちょ、ずぼっちょと……
「はぐううううぁぁぅぅぁぅぁあああああああああ!!」
 ガクンガクンと手足が痙攣する。
 今度は中くらいの深さで、天井方向を突き、スピードを速くした。
「アッ! アッ! ア!ア!ア!ア!アアアアアアアアアア!!」
 足を腰にカニ挟みのように回され、同じ速度でより奥まで突く。
「アーーーッ! 逝きます! 逝っちゃう! アアアアアアアアアアアアアア!!!」
 リリアの全身激しい痙攣に巻き込まれ、私も少し逝っていると、下腹部が生温かくなった。
「ああああああ…… ごめんらさーい、しおふいちっち」
「ああ、気にするな。おしっこじゃないからいくらでもお噴きで良いぞ」
「アハハハ、知ってますよう、やだなぁ、エッスさまは今更ぁ」
「……済まん」
 私は真っ赤になった。
「ハァ…… ハァ…… あーきもちよかったーー! ご褒美ありがとうございましたーぁ。 あ、もう抜いていいですよ?」
「え? あ、済まん」
 ディルドーをリリアから抜き、寝台から降りた。
 ちょっと名残惜しい気もするが、自分側のディルドーも抜いた。

「ねぇねぇ、エッスさまぁ! あたしのことギュッって抱いてくれますか? ギュッって!」
「ああ、良いぞ」
 身軽な状態で再び寝台に乗り、リリアの上に体を重ねてギュッと抱いた。

 刹那、リリアの瞳が濁り、表情が歪む。

 私がディルドーを抜くのに気をとられている隙に、リリアは右手にダガー(短剣)を握り締めていたらしい。
「クククク!かかったな!貴様の命、貰い受けるッ!」

 私の背中側から短剣で突いてくる。
 私はチラと目で追って、左肘でリリアの手を短剣の柄ごと突いて外向きに払った。
 ダガーは大きく跳んで寝台の遥か脇でドスリと床に刺さって音を立てた。

 リリアはそのまま腕を降り下ろし、私の背中に突き立てた。
「どうだ! どうだ! バルベロッテ様に仇なす者に死を!」
 空の拳を、とすとすと私の背中に何度も突き立てる。

 さっきの乳首ピアスの一件を思い出し、少し演技してやろうと思い付いた。
「ぎゃああああああ! やられたぁ! くうっ!油断した! まさかメイドが!メイドがぁぁぁ〜! 無念。」
 最後の『無念』は年寄り臭かったかななどと妙な検証をしつつ、脱力してリリアに覆い被さった。

「ハッ! あ、あれ? ちょっとーー! 何ですかぁーー? エッス様ァ! 重いー! ねぇーー!」
「済まん」
「もう!『済まん』ばっかぁー! ちょっとエッスさま、居眠りィ? もう、きのうグレちゃんとヤり過ぎたんじゃないですかぁーー?」
「ち、ちが!」

 その時ドアをノックする音がして、リンダが入ってきた。
「終わりましたか?」
「ちょっとーーぉ! リンダ様きいてきいてー? エッスさまったら、グレちゃんとヤり過ぎでー、あたしの御褒美でぇ、居眠りしちゃうんですよーーーぉ? ひどくなーい?」
「あら、それはいけませんねエッス様、クスクス。程ほどに」
「『程ほどに』ちがーう!」
「でも居眠りしたのは事実ですーーゥ。ぷんぷん」
「だからそれも後で説明するから」
「いいえ、これは公的な御褒美ですから、居眠りなど許されぬのはエッス様もご存知のはず。そういう人にはお仕置きです」
「きゃーーッ! なんでそうなるのだ!」
「あのーォ、おしおきってゆーーかぁ、あたしとおんなじカッコでいっしょにお仕事してもらえたらなーっ、て?」
「それいいですわね。いきなり無体な責めを宣告されるよりよっぽど筋も通ってますし。そういえばこの間工房に姫様サイズのあのメイドスーツが置いてあったような……」
「あ…… あ…… あ…… い、いやあああ!!」
 モリスあとでコロス。

「ウフフフフ、エッス様、ナカーマ。 エッス様もォ、一度本ッ当にブッ壊れると、ゾクゾクするような別世界が見られますよーーォ?」

(終)

名無し小説TOP  |  小説TOP  |