姫
国民の奴隷
§§ 国民の奴隷 §§
絽以は私の檻を押して、身支度に使っている玉座の間ではなく、院の議場のある階へ向かった。
なんだかすごくイヤな予感がする。
「ウーーッ!! ウーウーウー!」
「なんだよ。院の人たちもお前のことちょっと見たいって集まっているそうだから、いいだろ? 大丈夫だって、俺、挨拶の言葉も考えてあるから1分で終わらせてみせるって」
「ウーーッ! ウーーッ!」
バカバカバカ〜!
相手はあのジジイをはじめ、老獪な連中だよ?
絽以なんかが話術で太刀打ちできる相手じゃないよぉ〜
ぜったい私になにかエッチなことやらせるつもりだ。
そうだ、檻のキャスターを壊しちゃえ。
今は気分が落ち着いているので、きっと力が使えるはず。
んーと、一番弱そうな軸部分を外すイメージで……
ウーーーン…… ああっ!!
下っ腹の奥がキューーンと引き付けたと思ったら、おま○こがイボイボの棒をぎゅっと握りしめ、ドロンと気持ちいい汁が溢れた。
まけるもんかぁーーッ!
んああああっ!
だめっ!
突然耳が熱くなるほどの気持ち良さが全身に回る。
はふっ……
はふっ……
はぁ……
ダメだ……
力は完全に奪われてるぅ〜
無駄なあがきをしている間にもガラガラと運ばれて、イヤな思い出しかない議場に着いた。
ざわめく議場に、檻に入った私とそれを押す絽以が入ると、ざわめきが一層大きくなった。
「皆、静粛に。これはこれは姫様、本日のお勤めご苦労でしたのぉ」
壇上から語りかける長老の横に、明らかに人間を吊るすための枠が立っているのが目に入り、ギョッとした。
檻とほぼ同じ彫金模様。だが金ではなく、飾りもシンプルだ。
金属のパイプだか角材だかで組まれた、ただ四角いだけの枠。
斜めに突っ張るような支えは無く、床に置かれた畳2畳ほどの広さの分厚い金属板に枠の下一辺ががっちり溶接されている。
なぜ人間を吊るためだとわかるかというと、その丈夫な枠の四隅には短い鎖が垂れているからだ。
枠の中に立たせた人間の手足をそれぞれの鎖に繋ぎ、無抵抗な大の字にして晒すために……
その人間とは、多分…… ううん、まちがいなく、私。
壇に設けられたスロープを上り、檻ごと壇上に上がった。
「ロイ殿、姫様をお出し下され」
「はい」
絽以が自分のポケットから鍵束を取り出し、檻を左右に貫く棒を外し、口枷と首輪を支える棒も外した。
そして手枷足枷を檻に固定している金具を外すと、檻の戸を開けた。
体中がギシギシする。
口枷が重い。
絽以に手を貸してもらって、ゆっくりと檻から出る。
檻の前に立つと、階段状になった議席の全員が固唾を飲んで見守っているのが見えた。
絽以が私のうなじに手を掛け、口枷を解錠した。
重い口枷が前方に抜き取られ、首が軽くなった。
昼の食事で口枷の周囲はあちこち汚れていた。
「自分で出せよ」
絽以が小さな容器を渡してくれたので、開口用のゴムのブロックを吐き出し、容器を絽以に返した。
久々に口を閉じると、歯磨きもうがいも出来なかった口の中に、流動食やらあのベタベタの食事やらが残っていて、何とも妙な味で気持ち悪かった。
「ホッホッホ。本当にご苦労様じゃのう。水でも飲みなされ」
議長席の水差しからコップに水を注ぎ、私に差し出した。
「う……」
「ホッホッホ、ただの水じゃよ。姫様が疑り深くなるのも無理ないかのぉ、ホッホッホ」
水を受け取り、一気に飲んだ。
おいしかった。
「さて、姫様には色々と無理難題をお願いしてばかりで誠に申し訳無い。今回のお勤めはもう終わりで、今晩ゆっくりお休みいただき、明日には今のお住まいへお帰り下され。が、しかし、姫様も一部で勘違いされているようなのでここでハッキリさせたいと思うのじゃ」
「はぁ」
「姫様の今のお立場は?」
「えーと、通いの偶像?」
「プッ、笑止!」
「ア、『アイドル』って言おうとして必死で言い換えたのにぃ! じゃぁ何なんですかっ?」
「ホッホ、これだけ檻にお入りになってもまだおわかりになりませぬか。『奴隷』じゃよ」
―― ギク ――
「どっ、奴隷って、その話はおじさまが亡くなって終わったんじゃ……」
「もちろん、コメドゥの一件は終わり申した。しかし、新たに姫様を国民の奴隷として飼うということになったのじゃよ」
「なんですって!? 絽以! そんな相談してたの?」
「お、俺も今初めて聞いたよ」
「なし崩しに色々と試させて頂いたが、やはり姫様は我等には無くてはならぬ存在。何度も申す通り、国民のためにも姫様が必要なんじゃ」
「だからそれは通いででもちゃんとやりますってば」
「そこじゃ。奴隷の自覚があればそんな言い方にはならぬぞ」
「う…… それは……そうですけど……」
「それに、貞操帯や首輪なども私物のようにお使いじゃが、それは歴代獣王女のためのもの。奴隷がお嫌ならこの場でお返し下され」
「えーっ! ……どうしよう〜 絽以〜」
「これは私どもも迂闊だったのじゃが、姫様も絽以殿もすっかり向こうの生活に馴染まれて、また記憶を一時的に無くされていたこともあり、もともとアナムネの人間だということをお忘れなのではないか?」
「うっ……」
「あちらでの生活も規則もあるとは存じまするが、こちらでの決まりを優先していただくのが筋というもの」
そうだった……
もともと絽以も私もアナムネ人。
それを忘れかけて、長老が言うように、アナムネに国民を喜ばせに『来てあげている』という意識になりつつあった。
こっちで『お前は奴隷だ』と言われれば、私は本当に奴隷にならなくてはいけないのだ。
地球に住めるのは国のお目こぼしなんだ。
§§ 国民の奴隷2 §§
「さぁ絽以殿、鍵を全部こちらにお渡し下され」
うそ……
やだよ……
急におじさまに奴隷にされた時の、支配される恐怖が甦った。
「絽以! 渡しちゃやだ! 守ってくれるって言ったじゃない!」
絽以の表情がこわばる。
私の檻の後ろ、壇上の奥で、ものすごい形相で鍵束を握りしめる。
「ホッホッホ。あまり絽以殿を困らせてはいけませんぞ。先も申した通り、絽以殿もアナムネの人間。しかも姫様とおつきあいされているので近い待遇にさせていただいておるが、しょせん平民。民主的な世になったとはいえ、とてもこの場で拒否できる立場ではござらん」
「うう……」
「だがしかし、姫様も絽以殿も、それでは納得がいかぬであろう」
「そうです。なんで今までの約束通りじゃダメなんですか?」
「それは言うなれば姫様の心の問題じゃ。自分にできることをしようという今の姫様のお気持ちは、それはそれでありがたいとは思っておりますぞ。しかしそれではいつか行き詰まるのじゃ。何がいけないのかはもっと歳を重ねれば自ずとわかるであろうが、それでは遅いのじゃ。要するに、姫様のお考えはヌルい、ということじゃ」
「う……」
音を立てて心臓にナイフを突き立てられた気分だ。
いくら私が生死の堺まで行った経験を持つとはいえ、自分主導で考えているうちは、皆に認められる献身とはいえない。
心のどこかに『やってあげてるのよ』という意識があるのを否定できない。
「どうですかな? 少しはご理解いただけましたかの? 絽以殿を苦しめるのは本意ではないので、絽以殿は一度姫様へ鍵をお戻し下され」
絽以は壇の前へ進み出て、私の前へ回り鍵束を私に渡した。
その時の絽以の表情……
今にも泣きそうな、情け無い顔……
「ごめん…… 俺……」
「アハ、絽以のせいじゃないよ。あたしのほうこそごめん。ぎりぎりまであたしのこと守ってくれてありがと」
チャリンという音とともに私の手に鍵の重みが移り、一時的にせよ私の全自由が自分の掌の中に戻って来た。
「さぁ、姫様、それをお渡し下され」
長老の言いたいこと、やりたいことは、ハッキリわかってる。
でも反射的に答えずにはいられないのだ。
「いやっ!」
「ホ! ホッホッホ! これはこれは。 わしにはそのお答えはわざととしか思えませんのぉ。今までずっと拝見してきて、わしは姫様のお好きなことを存じ上げております。ただ辛いことばかりのみのお仕事を、なんで姫様にお願いできましょう。姫様もきっと楽しんでいただけると思えばこそ……」
「見世物にされて、恥ずかしくって辛いだけです」
「ホホ、姫様のお気持ち、よっくわかりますぞ。ただしそれでは皆が納得しないので、お辛いだけの仕事だということを証明するお時間を頂いてもよろしいですかな?」
やっぱり……
罠だってわかってた。
このジジイは私が太刀打ちできる相手じゃない。
自ら罠にかかる一言を、搾り出すように言う。
「はい……」
「なぁに、お時間にして30分ほど。檻に慣れた姫様には赤子の手をひねるよりたやすいお仕事」
「何をするんですか」
議場に入った時から感じている悪い予感と、胸の高鳴りが、たった今、一つに合わさって私の心臓をえぐる。
「そこの枠に手足を留めていただき、皆の前で30分だけ我慢して下され。お辛いなら暴れて下さって結構じゃ。その様子が本当に辛そうだと皆が納得すれば、もう姫様に妙なお願いも致しませぬ」
「わかりました」
全身の産毛が逆立ち、急速に罠の底へ向かって奈落に落ちて行こうとしているのを感じる。
だけどもう止まることができない。
心のどこかで奈落のどん底に行ってもいいって思っているのかもしれない。
ううん、むしろもっと積極的に奈落の底を覗いてみたいって思ってるのかもしれない。
今度は誰も救ってくれない。
絽以の力も及ばない。
絽以の心はもちろん私と一緒だろうけど、絽以の力ではどうにもならない。
だって、私が命がけで救った国民全員が、私がひどいめにあうのをワクワクしながら待ってるのだから。
§§ 国民の奴隷3 §§
「姫様、鍵についている金具を首輪に掛けて下され」
「はい……」
キーホルダーについているバネ式のフックで、首輪に鍵束をぶら下げる。
「姫様が御自らお渡し下さるまで、わしは鍵には触れませぬ。では次にそちらの枠に手足を繋いで頂きましょうか。絽以殿……」
「待って…… 自分でやります」
こんな役、絽以にさせられない。
自分で壇上の四肢枷となる枠の真ん中に立ち、足をめいっぱい開いて、枠の下の左右の角にある短い鎖に近づける。
こんなに開くなんて屈辱的すぎる……!
片方の鎖をブーツの足の足首に嵌められている黄金の足枷に繋ぐ。
金具はただのバネ式で、特に鍵はついていない。
ところがもう片方の足が繋げられない。
足を開いた状態では体を曲げると倒れてしまうのだ。
新体操のできる子ならあるいは可能かもしれないけど。
絽以が飛んで来た。
「バカ、無理すんな。手伝うよ」
「絽以〜」
涙が溢れた。
絽以に手伝ってもらい、両足を枠に固定した。
そこから背筋をまっすぐに伸ばし、万歳をするように手首を枠の上の左右の鎖へ近づける。
絽以に片方の手首を先に繋げてもらうと、最後の一カ所はブーツの中でぎりぎりつま先立ちしそうなほど、ちょうどぴったりの長さだった。
踵は浮いていないので、腕に体重は掛かっていないけど、屈辱的なほどピーンと伸ばした状態だ。
衆人環視の中、貞操帯だけの恥ずかしい姿で、胸を晒し、僅かの身を隠す動作も許されぬほど四肢を引き延ばされて、大の字に固定されてしまった。
「ホッホッホ。では今から30分、そのままのお姿でいていただこうかの。姫が晒されるのがお好きなら、そのまま気持ちよくなっても結構ですぞ? ホッホ」
「だ、だれが、そんな」
長老はニヤリと笑うと自分の議席についた。
議場中から私の裸体に視線が降り注ぐ。
裸そのものは、とっくに見られ慣れた。
恥ずかしいのは、裸じゃない。
裸で晒されることによって、心の中を観察されてしまうことだ。
ピアスで飛び出させられてる乳首は、この距離からならば、硬くなっているかどうかなんてすぐわかる。
重いピアスを下げられているので、柔らかい時に下向きにだらしなく引っ張られている乳首は、硬くなってツンと飛び出ていると、より一層尖りが強調されてしまう。
理性ではこんなにイヤなことされてるのに、人前に晒されて、体は感じてしまってるってはっきりバレている。
下向きに逃がしていた視線を正面に向け、議場にいる院の人々を見渡す。
おやっ、と思った。
オッサンばかりなのに、イヤらしい粘りつくような下品な視線は無く、憧れに満ちた純粋な視線ばかりだったからだ。
あと25分くらい?
晒されたまま脱力していれば、そのくらいすぐ経つ。
それでも乳首や股間に集中する視線に耐えかねて、諦めた気持ちになり、目を閉じた。
「姫様の、今の表情、たまりません。千金の価値があります。願わくばもう1回お願いできないでしょうか」
議場の前の方で誰かが発言した。
「えっ?」
目を開けてその声の方を見たが、すでに喋り終わっているので誰だか特定できない。
特定できたとしても、何の意味もないのだけれど。
全員、今の誰かの発言に同意したような表情をしている。
四肢を恥ずかしいほどに引っ張り伸ばされたままの私は、本当に皆の所有物のようだ。
奴隷というより人形のように、個性を剥奪されて意のままに操られる。
いや、個性も味の内らしいから、個性を残したまま言いなりになる、やはり奴隷か。
「えと…… こうですか?」
脳内の思考を巻き戻す。
無抵抗に枠に固定されている自分を想い、眉を寄せ、力を抜き、目を閉じた。
キューーッとおま○こが熱くなり、突っ込まれているイボイボの塊をぎゅっと締め付けた。
私、表情すら言いなりだ。
そして、言いなりになっている自分に目茶苦茶感じてる……!
お腹の奥から熱いものが込み上げて来た。
下半身の一番下が熱い。
だ!
だめっ!
それこそ皆の思うツボ。
私の心の奥底を正直に吐露してしまう!
自分の体で遮られて見えない、私の真下の床で、ポタッ、ポタッと音がする。
しばらくすると、内股を生温かい物が這い落ちる。
ゆっくりゆっくり垂れて来て、膝の脇、ブーツの縁で止まった。
§§ 国民の奴隷4 §§
ヒソヒソと話し声が聞こえて来る。
私はまだ目を閉じたまま。
完全に私の心が皆に見えている。
見られて感じてるってバレている。
いちばんはしたない汁を皆の目の前で垂らし、議会の壇上の床を汚している。
「いやっ……」
小声で呟く。
否定すればするほど、ますます溢れ出す。
ポタポタという音は連続したリズムに変わり、さっき一筋通った道筋をなぞるように、内股を熱い塊が膝まで落ちる。
とうとう反対側の内股にも垂れはじめた。
脳みそから火を吹きそうな恥ずかしさを堪えて、正面を向いて目を開ける。
居並ぶ顔は真剣そのもの。
ニヤつく人などだれもいない。
その真剣さに、私は堕ちた。
本当に求められているのかもしれない、と思った。
「あの…… もうわかっちゃったと思います…… 長老の言う通りです。 あたし、奴隷でいいです」
全身が温かい脱力感に包まれ、グスッ、グスッと泣き出してしまった。
すべてを認めて、イキそうなほど気持ちよかった。
ガタンと長老が席を立ち、こちらへ近づいて来る。
手には箱を持っている。
「ホッホッホ。ではご自身で認められたところで、姫様に本当のお仕事をお願いしますぞ」
「グスッ…… グスッ…… もう好きにしてください……」
「ではまず、貞操帯に新しい仕掛けをさせていただきます」
「ええっ?!」
「なぁに、前と同じじゃよ。実は、王家の力に頼らないと言いながらも、姫様のお力におすがりしたい場面が多々あっての。しかし姫様が自由に力をお使いになれば、奴隷の身分から抜け出したいと思われるやもしれぬ。これはコメドゥが使ったものとほぼ同じじゃ。あれは処女用、これは非処女用という違いじゃな」
長老が箱を開けて中身を見せる。
中には太さこそそれほどではないが、複雑にうねった表面構造を持つ銀色のディルドーが入っていた。
「ヒッ!」
「見ての通り、これは鍵によって棒の移動が固定されるのじゃ。使い方はコメドゥのものとほぼ同じじゃ。ただし、こちらの方の快感は、処女用とは比べ物にならんということじゃが。ホッホ」
長老は侍従を呼んで、私の前に小さなテーブルを準備させ、清潔そうな布などを敷かせた。
「絽以殿」
「はい……」
「姫様の中のものを、こちらと交換してもらえんかの」
「ええっ? ここでですか?」
「そうじゃ」
「い、いやっ! いやああああ!!」
それは恥ずかし過ぎる。
ガシャンガシャンと手足を揺すって抵抗する。
「珠里、ごめんな」
「う、うらぎりものぉ〜」
「ごめん」
絽以は私の首輪から鍵束を外すと、貞操帯の鍵を鍵穴に差し込み3回回した。
腰ベルトが本体から抜けるのを押さえつつ、絽以が手際よく貞操帯を脱がせた。
膣のディルドーとお尻のディルドーが残る。
貞操帯を、用意されたテーブルの上に置く。
絽以がうまく体で隠してくれてはいるが、おま○こモロ出しの、人として、女の子として、一番情け無い姿を晒している。
「抜くぞ」
「ン……」
絽以が膣のディルドーに指を掛ける。
ツルッと滑る。
もう一度。
ツルッ。
「だめだ。全然掴めねぇ」
「ああん、言わないでぇ」
やっと指が掛かり、グッと内蔵が引っ張られる。
「ああん!」
「おいおい、もう少し緩めろよ」
「んなこと言ったって……」
締めてるつもりなんてぜんぜんない。
「イボイボが…… イボイボが肉に噛み込んでんだよぅ」
「仕方ねぇな。えいっ!」
突然、目の前に明るい光の点が散らばった。
「んアアアッ!! やああ!! 強いよ!」
「でも少し抜けたぜ。このまま抜くぞ」
「そんな! アッ!! イボっ! イボイボがっっ!! んああああああ!!」
チュプーッと耳を塞ぎたくなるような淫らな音を立てて、今まで入っていたイボイボのディルドーが抜けた。
床でボトボト音がする。
汁がいっぱい垂れてるんだ。
§§ 国民の奴隷5 §§
「こんどのヤツ、入れるぜ」
「うん……」
チュルーッと簡単に入ってくる。
途中でバババッと電撃が走るような快感があったが、すぐに収まった。
「平気?」
「うん」
「貞操帯嵌めるぞ」
「うん」
今度は貞操帯を戻す時に前の小さい板を鍵穴が出るタイプに交換してからの装着だ。
自分の粘液が冷えて冷たくなってるのがキモチワルイ。
それでも無理矢理穿かされ、施錠された。
「姫様、いかがかな? 絽以殿はお下がり下さい」
絽以は膣内のディルドーを固定する鍵を突っ込んだところで下がらされた。
絽以はディルドー以外の鍵束を私の首輪に戻していった。
「今のところ、普通で…… あああっ!! アアーーーーーッ!!」
突然、お腹の中心を、何かが気持ちよく移動した。
「いやっ! 何これ、前のやつよりものすごアアーーーッ !!」
膣内を擦り上げる快感がハンパでない。
「あ…… ン…… いやっ……!」
身を捻る。
「あ…… ン…… いやっ……!」
手足を胴の中心へ引く。
「あ…… ン…… いやっ……!」
中に差し込まれた物を押し出そうと腰を振る。
しかし、全部の試みは阻止されている。
張り詰めるほどに四肢を伸ばされ、身じろぎすらできない。
同じリズムで擦り上げられ、同じリズムで声が出る。
同じリズムの繰り返しは、エッチな興奮を高める基本動作。
これだけ恥ずかしい晒しに慣れている私でも、その魔力に抗う術が無い。
締めてるのは自分なのに、そのリズムの沼に自らが呑み込まれる。
たった2,3分で私は思考までドロドロに蕩かされ、うごめくリズムに合わせて満場の院の人々の前で、僅かしか振れない腰をめいっぱい振って、はしたなくどんどん昇りつめていった。
四肢を大の字に伸ばされて、身動きできないまま、衆人環視の中で、イク。
いやだ
いやだ
いやだ
こんなのいやだ。
惨めすぎるよぅ。
絽以やニルさんたちにしか見せたことがない、一番無防備な素顔を、みんなに見られちゃう。
その惨めさ。
その恥ずかしさ。
その、甘さ。
腰の中心からブルルッと震えが来て、それが全身に広がった。
激しくイクのではなく、下から押し上げられるように高みへ昇る。
「はぁーーーーーっ……」
熱く長い吐息。
ここが議場だなんて、もう完全に忘れてる。
「あンーーーーーーッ……」
きもちいいよ。
最高だよ。
―― カチッ ――
あん……
あ……?
あれ?
あ、動きが止まった。
とたんに思考がハッキリしてきた。
ピンクの霧が晴れ、脳の奥から、自分の今の状態を思い出す。
みんなの前で思い切りヨガってた!
「いやーーーーッッ!!」
真剣に恥ずかしくって、反射的に手足を縮めようとしたが出来なくて慌てた。
そしてパニックになり、もがき、手を留めている鎖を睨んだ。
「ウーッ」
イキ切れていない恨みも込めて、激しく睨んだらバキンと千切れた。
あ、今なら力が使えるんだ。
もう片方の手を吊っている鎖もバキンと外し、自由になった手で胸を隠す。
続けて足の鎖も同様にバキンバキンと切ったら、バランスを崩して前のめりに倒れた。
「ホッホッホ、さすが姫様。棒の動きを止めたとたんに力をお使いになるとは」
「何を……したんですか……?!」
壇上でひざまずいたまま、自分の体を抱え、うつむいて叫ぶ。
「何度も言うておる。コメドゥの時と同じじゃよ。鍵で棒の動きを止めればいつもの姫様。力もお使いになれますぞ。棒の固定が外れれば、たちまち淫らになり、力も抑制されるのじゃ」
「そんな……! 処女で無くなればコントロールされないんじゃ……」
「ホッホッホ。お忘れかな? 快感を感じると力が出ないのは、もともとお相手の男性を殺さぬための本能。処女なら性的渇望感から『言いなり』になるわけじゃが、姫様はもう『言いなり』にならぬだけのことじゃ。力は抑制されますぞ。しかしコメドゥを木っ葉微塵にした姫様なら、いざとなればこんな淫具など役に立たぬとは思うがの」
「ひどい……」
「さぁ、お立ちなされ。自らの手でその鍵を緩め、鍵束に通して、こちらにお渡し下され」
「うう…… はい……」
胸を覆う手をどけて、ゆっくり立ち上がる。
終始うつむき加減だ。
自由に動ける体で貞操帯の前を覗き込むと、おま○この辺りから鍵が生えている。
その鍵をつまんでカチリと回した。
そしてその鍵を抜き取り、首輪を手で探って鍵束を外し、鍵束のリングに付け足した。
長老が私の正面に来た。
「お渡しいただけますかの?」
「はい…… うーーっ!!」
鍵束を差し出すと同時にあの棒が膣内で蠢き、耳たぶが熱くなってきた。
―― チャリン ――
快感に朦朧としながら、鍵を渡してしまった。
もう、本当に後戻りできない。
私の意思でも、絽以の意思でも、貞操帯を脱ぐことすら出来ないのだ。
パチパチパチ
議場の隅から拍手が起こる。
それはすぐさま満場を揺るがす拍手になった。
「ホッホッホ。なんとか予定通りの時間で終わりましたのォ。では今度お見えになる時を楽しみにしておりますぞ。王がお待ちじゃ、お休みになるがよかろう」
「え?」
キツネにつままれたようだった。
「いいんですか?」
「うむ。あ、絽以殿はこちらへ」
「はぁ」
「こちらです」
侍従が一人来て私を促す。
絽以を議場に残したまま侍従について行くと、エレベーターにのって玉座の間に戻った。
「珠里!」
「あ。お父さん、お母さん」
「絽以君は?」
「もうすぐ来るよ。 ンぁっ……」
「どうした? 具合でも悪いのか? ずっとそんなカッコだから、風邪でも引いたんじゃないか?」
「きゃあっ!」
慌てて胸を隠した。
「いまさら……」
「あなた!」
「すまん……」